生存の根源においてエネルギーは重要であり,生体は絶えず外部環境に適応してエネルギー代謝を行っている.最近,DNAメチル化やヒストン修飾,microRNAといったエピゲノム調節を介してエネルギー代謝を制御する機構の一端が明らかになってきた.エピゲノムはDNA塩基配列によらない遺伝子の発現調節機構であり,外部環境に対して応答し,それを記憶として残すことができるため,体質や代謝疾患とのつながりが深い.エピゲノムによるエネルギー代謝調節機構の理解が,将来,健康増進や治療に生かされることが期待される.
「はじめに」エピゲノムは遺伝子の塩基配列によらない遺伝子発現調節機構である.そのため,塩基配列の変化を伴う進化的変化や突然変異と比較して外部環境に柔軟性をもって応答することができ,転写調節因子やセカンドメッセンジャーを介した数分から数時間単位で起こる反応に比べてより長期的な記憶として残すことができる.
「key words」エピゲノム,ヒストン修飾,JMJD1A,FBXL10,エネルギー代謝
「はじめに」エピゲノムは遺伝子の塩基配列によらない遺伝子発現調節機構である.そのため,塩基配列の変化を伴う進化的変化や突然変異と比較して外部環境に柔軟性をもって応答することができ,転写調節因子やセカンドメッセンジャーを介した数分から数時間単位で起こる反応に比べてより長期的な記憶として残すことができる.
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