男性骨粗鬆症の原因疾患として,血中テストステロン値が低下した病態である若年性男性性腺機能低下症と遅発性男性性腺機能低下症をモデルとして解説した.前者では,間脳-下垂体-精巣系に障害のある続発性精巣機能低下症においては治療時期によりゴナドトロピン療法とテストステロン補充療法が,精巣障害による原発性精巣機能低下症ではテストステロン補充療法が行われる.後者では,加齢に伴う血中テストステロン値の低下は骨塩量の低下や骨折のリスクを増大しているが,テストステロン補充療法の臨床的意義は確立していない.
「key words」Male hypogonadism osteoporosis,testosterone replacement therapy,gonadotropin replacement therapy