小児期特有の糖質コルチコイドの作用として成長障害が挙げられる.糖質コルチコイドによるGH-IGF-1系の抑制と骨端軟骨成長板における内軟骨性骨化の抑制によって成長障害は引き起こされる.成長障害の程度は,ステロイドの投与量および投与期間に依存する.成長障害を防ぐためには,ステロイドの必要最小限の投与が第一である.副腎皮質過形成症はステロイド補充が生涯にわたり必要な先天性の副腎疾患であるが,全国疫学調査のデータから成人身長の低下が示されたことから,より一層の治療管理の適正化が必要である.
「key words」糖質コルチコイド,成長障害,軟骨成長板,副腎皮質過形成症,成人身長