【特集 骨細胞:骨を制御する司令塔】
骨細胞ネットワークのイメージング
掲載誌
THE BONE
Vol.27 No.3 31-37,
2013
著者名
飯村忠浩
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
整形外科
/
リウマチ科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
放射線科
媒体
THE BONE
骨細胞は骨基質内に多数の細い細胞突起を張り巡らせて細胞間ネットワークを構築し, 骨芽細胞や破骨細胞の機能を調節している. また, 骨細胞は骨組織に加わる機械的負荷の受容細胞としても重要な役割を担っている. そのため, 骨組織の生理的維持機構や病的な動態を把握するためには, 骨細胞および骨細胞ネットワークの詳細な形態や動態を, 骨の機能と関連させて理解しておくことが重要である. 本稿では, 筆者らが行ってきた蛍光三次元イメージングによる形態計測に関する研究について概説する. 「はじめに」骨細胞は, 骨を構成する細胞の90~95%を占める骨組織中で最も多い細胞集団であり, 骨基質中で互いに細胞突起を伸ばし, ギャップジャンクションを介して細胞間ネットワークを構築している. さらに, その細胞突起は骨表面へ伸張し骨芽細胞や破骨細胞との細胞間コミュニケーションを可能にしている. このような骨細胞が構築するネットワーク構造は骨細胞ネットワークと呼ばれ, また, それを覆う骨の網目状の空洞構造は骨小腔骨細管ネットワークと呼ばれている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。