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特集 疼痛治療の最近の進歩と骨・関節疾患

運動器慢性疼痛の実態

中村雅也西脇祐司牛田享宏戸山芳昭

THE BONE Vol.27 No.1, 27-31, 2013

わが国における運動器の慢性疼痛の実態と問題点を明らかにするために疫学調査を施行した. その結果, 運動器の慢性疼痛は腰, 肩, 膝に高頻度にみられ, 1年以上の長期の治療にもかかわらず, その改善は必ずしも得られず, 治療に対する満足度は低かった. さらに有症者自身の身体および精神的健康, さらには社会生活に悪影響を与え, 日常生活において介助を要する機会が増加するために家族など周囲に与える影響も少なくなかった. 運動器の慢性疼痛に対する治療法と治療体系の早急な見直しが必要である. 「はじめに」これまでに行われた厚生労働省の国民生活基礎調査により, 頻度の高い自覚症状として腰痛, 肩こり, 関節痛, 頭痛といった痛みの症状が上位を占めていることが明らかになった1). しかし, 慢性的な疼痛の問題は, 致死的でない, 各科にまたがる領域である, 実態がよくわからない等々の理由により, これまで個別の行政施策があまり行われなかった領域であった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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