【特集 痛風をめぐる諸問題】
TOPICS GWASによる高尿酸血症研究の進展
掲載誌
THE BONE
Vol.26 No.3 75-78,
2012
著者名
鎌谷直之
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
整形外科
/
リウマチ科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
THE BONE
痛風は高尿酸血症によって起きることは周知の事実である. 血清尿酸値は個人によって大きく異なるが, その要因には遺伝要因と環境要因がある. 環境要因についてはアルコール, 肥満, 果糖などが知られている. 遺伝要因についてもHPRT欠損症やPRPP合成酵素亢進症, Uromodulin関連疾患など, 単一遺伝子疾患については知られていた. しかし, これらは特殊な例であって, 一般の痛風や高尿酸血症に関係する遺伝要因については不明であった. しかし, 理化学研究所ゲノム医科学研究センターが2002年に開発したゲノムワイド関連解析(GWAS)という手法により多数の遺伝子が血清尿酸値に関連していることが明らかになってきている. すなわち, ABCG2, CDC42BPG, GCKR, INHBC, MAP4K2, MEN1, NRXN2, PDZK1, PYGM, RASGRP2, R3HDM2, RREB1, SF1, SLC17A1, SLC17A3, SLC2A9, SLC22A11, SLC22A12, WDR1, LRP2, などのさまざまな遺伝子が血清尿酸値と関連することがわかってきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。