【特集 痛風をめぐる諸問題】
痛風の診断とピットフォール
掲載誌
THE BONE
Vol.26 No.3 31-34,
2012
著者名
谷口 敦夫
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
骨・関節
診療科目
一般内科
/
整形外科
/
リウマチ科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
THE BONE
痛風は関節内に析出した尿酸塩結晶によって引き起こされる関節炎を主徴とする疾患である. 痛風関節炎の診断は速やかに治療に移行するためにも重要である. 痛風関節炎は発症から4~12時間以内に疼痛のピークに達し, 関節の強い疼痛, 腫脹, 発赤を伴う. その後, 3~14日以内に改善する. このような典型的な経過を念頭に病歴を聴取し, 関節所見を捉え, 患者背景も参考にして診断を進めていく. 診断が困難な場合は関節液を穿刺し, 尿酸塩結晶の同定を試みる. 「はじめに」痛風は高尿酸血症により関節内に析出した尿酸塩結晶によって引き起こされる関節炎を主徴とする疾患である. 多くの患者は関節炎のために医療機関を受診する. 痛風関節炎を速やかに治療するためにも, その診断は重要である. 本稿では, 痛風関節炎の診断に必要な臨床的特徴と診断に際して考慮すべき点についてピットフォールを含めて述べる. 「痛風関節炎の臨床的特徴」高尿酸血症が長期持続すると過飽和になった尿酸塩が関節滑膜あるいは軟骨上に析出・沈着し, 微小な尿酸塩の沈着巣を形成する.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。