全文記事
骨粗鬆症を取り巻く医療経済
Ⅲ.骨粗鬆症と他疾患との比較 関節リウマチに対する新薬―TNF阻害剤―の費用対効果
掲載誌
THE BONE
Vol.23 No.2 67-73,
2009
著者名
丹野亮
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松岡利明
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田中秀和
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向井英一
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林?史
記事体裁
特集
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全文記事
疾患領域
膠原病・リウマチ性疾患疫
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骨・関節
診療科目
整形外科
/
リハビリテーション科
/
リウマチ科
媒体
THE BONE
過去にDisease Modifying Antirheumatic Drugs(DMARDs)治療に奏効しなかった経験のある関節リウマチ患者を対象に, 複数のDMARDsの組み合わせによる従来療法を比較対照とした場合のエタネルセプト療法の費用対効果分析を実施した. エタネルセプト療法, および従来療法の総費用はそれぞれ, 2,577万円, 1,752万円であった. Quality Adjusted Life Years(QALYs)はそれぞれ9.13, 6.91であった. 増分費用対効果比(ICER)は372万円であった. また, 感度分析も行った. エタネルセプトは生物学的製剤であるため薬剤費が高額であり, 総医療費は従来のDMARDs療法よりも高額となる. しかし, 関節リウマチ患者が得られる効果との相対的な評価を行った場合, エタネルセプト療法は, むしろ比較的リーズナブルな治療法であると考えられた. また, 医師が個々の関節リウマチ患者にアドバイスする公的支援や医療費補助などについて言及した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。