骨・軟骨研究の基礎と臨床
臨床編 EBMとガイドライン
THE BONE Vol.22 No.3, 159-162, 2008
最初にEBM(evidence-based medicine)の概念について紹介した. わが国では, EBMの概念に基づいて, 骨粗鬆症に関連した4つの項目についてガイドラインが発表されている. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版では, 臨床効果と有害事象についてエビデンスに基づいた総合評価を行い, 10種類の骨粗鬆症治療薬の推奨グレードを設定している. 「EBMとは」EBM(evidence-based medicine)という言葉が医療界に登場したのは1991年で, 比較的最近のことである. EBMとは「医学研究の成果(evidence)を知った上で, 医師の経験や医療施設の特性, 患者の病状や意向を配慮し, 医療を行うための診療戦略」である. 具体的にはまずはじめに, 一人一人の患者について診療上の問題点を整理し, 次いで問題点を解決するための文献検索を行い, 得られた文献を批判的立場に立って分析し, 最終的には文献に示されたevidenceが患者に適用できるか否かを判断するという4つの段階を踏まえて, 個々の患者の診療上の問題点に対処するという診療上の戦略である.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。