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骨・軟骨研究の基礎と臨床

臨床編 骨・軟骨疾患の予防・治療の現状と将来(3)骨粗鬆症治療薬の現状と将来

中村利孝

THE BONE Vol.22 No.3, 147-151, 2008

窒素含有ビスフォスフォネート(N-BP)の登場は骨粗鬆症治療の新しい時代を切り開いた. N-BPは, メバロン酸からコレステロールの合成経路の酵素であるファルネシル二燐酸合成酵素を阻害し, その結果, 脂質のプレニル化が障害され骨吸収機能を抑制することによって, 骨折リスクを低下させる. N-BPsはステロイド投与による骨細胞のアポトーシスを防ぐ. 分子種によるN-BPの物理化学的特性の相違が臨床的有用性に関連するかについてはいまだ明確ではない. また, 骨密度と骨質を改善することによって骨強度を増加させることを目指し, 新たな治療薬が開発されつつある. 現在, 抗RANKL抗体製剤とカテプシンK阻害剤などの新しい骨吸収抑制薬の臨床試験が進められている. ラネル酸ストロンチウムと副甲状腺ホルモンに加えて, カルシウム受容体拮抗薬を含む抗スクレロスチン抗体などの新しい骨形成促進薬の臨床試験も始まりつつある. これらの新しい薬剤の骨折防止効果と安全性プロフィールが従来のN-BPsより優れていることが示されれば, 骨粗鬆症治療は新たな段階に入ると思われる.

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