骨・軟骨研究の基礎と臨床
臨床編 骨・軟骨疾患の予防・治療の現状と将来(2)運動(ヒッププロテクターなどの装具を含む)
THE BONE Vol.22 No.3, 143-145, 2008
メタ分析において, 骨粗鬆症に対する運動療法は, 腰椎および大腿骨頚部骨密度を1%ほど増加させ, バランス能力を改善して転倒を予防することにより骨折予防に有効であることが示されている. しかし, 運動の種類や頻度に関しては検討が必要である. 一方, 軟骨病変である変形性関節症に関しては運動が有効であるという報告がみられ, 荷重面に負担が少ない水中運動の有効性も報告されているが, 評価法の客観性は乏しい. 大腿骨頚部骨折を予防するためのヒッププロテクターは, 施設入居高齢者での有効性が認められているが, 一般地域住民での有効性には乏しく, より装着率の高いヒッププロテクターの開発が望まれる. 変形性膝関節症に対しては膝外反装具や足底外側ウェッジインソールが有効との報告があるが, これも今後の検討に課題が残る. 「運動による骨密度増加」骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版1)によれば, 骨粗鬆症に対する運動の励行は, 骨量低下を防止し, 骨量の維持・増加および骨折防止に対して有効であり, 実行を勧める「グレードB」としている.
記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。
M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。