骨・軟骨研究の基礎と臨床
臨床編 骨・軟骨疾患の診断の現状と将来(2)骨代謝マーカー
THE BONE Vol.22 No.3, 127-132, 2008
骨代謝マーカーが開発されて20年が経ち, そのうちのいくつかは保険適用となった. 最近の研究の結果から, 骨折に関連する骨強度には骨密度のみでなく, 骨質も依存することが知られるようになった. しかし, 骨質は直接的に評価することは困難であり, 骨代謝マーカーは骨質の評価, 治療薬の有効性評価やコンプライアンス改善にも役立つものと考えられている. 骨代謝マーカーのさらなる普及のためには測定変動を小さくする工夫が必要である. 「はじめに」骨を肉眼的にみれば, その形状には変化がみられないが, 微小部分においては常に変化が起きている. 実際, 骨組織では骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収が営まれ, 常に骨のリモデリングが行われている. 骨のリモデリングでは, 骨形成と骨吸収のバランスが保たれており(カップリング), その結果, 骨量はほぼ一定に保たれる. 一方, 閉経後や病的な状態では, 骨形成を上回る骨吸収となり(アンカップリング), その結果, 骨量の減少が生じ, それが長期に持続すると, 将来, 病的な骨折を引き起こすこととなる.
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