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骨・軟骨研究の基礎と臨床

基礎編 カルシウム調節ホルモン研究

遠藤逸朗松本俊夫

THE BONE Vol.22 No.3, 63-67, 2008

カルシウム調節ホルモンとしては, 副甲状腺ホルモンおよびビタミンDがよく知られているが, 近年, これらの作用機序や細胞内シグナル伝達機構, 転写制御機構などが次々に明らかになった. また, 新たなリン利尿因子として発見されたFGF23は骨細胞で産生され, リンやビタミンD代謝への作用を介して骨カルシウム代謝に重要な役割を果たしていることが明らかとなった. 「はじめに」カルシウム(Ca)は, 正常な細胞機能の維持に必須の細胞内情報伝達物質として重要な役割を担っており, その血中濃度は, 副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)およびビタミンDにより厳密にコントロールされている. 近年, 遺伝子改変マウスの解析や分子生物学的手法を用いた検討により, これらカルシウム調節ホルモンの詳細な生理作用や細胞内シグナル伝達機構, 転写制御機序などが解明されてきている. また, 新たなリン利尿因子として発見された線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)は活性型ビタミンD代謝への作用などを介して骨カルシウム代謝にも影響を及ぼしている. 本稿では, これらのホルモンについての最近の知見を概説する.

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