骨・軟骨研究の基礎と臨床
基礎編 現在の軟骨研究
THE BONE Vol.22 No.3, 43-47, 2008
軟骨基質や軟骨細胞の解剖学的, 生化学的および細胞生物学的手法を用いた解析から始まった軟骨基礎研究は, 関節軟骨疾患と先天異常における骨格異常がその動機付けにあったのではないかと思われる. ここ20年, そのときどきの科学研究の潮流にのり, 軟骨それ自体の知見は飛躍的に増大した. 21世紀に入った現在, わが国の軟骨研究の主軸は, 過去の研究を基盤とした関節軟骨疾患の治療と関節軟骨再生に置かれていると思われ, ある意味本来の研究目的の実現を目指しているといえる. 本稿では, 軟骨の基礎研究と臨床医学研究について概説する(表). 「はじめに」我々の骨格は生下時にはいまだ完成していない. 多くの骨は成長軟骨板を有し長軸方向および横径の成長を続ける. また, 二次骨化中心の出現により成長軟骨板と関節軟骨は区別され, 関節の成熟が促される. 赤ん坊が立ち, 歩き出すという初期発達による関節へのメカニカルストレスの増大と密接に関係しているのかもしれない.
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