骨・軟骨研究の基礎と臨床
基礎編 骨の細胞形態学
THE BONE Vol.22 No.3, 23-30, 2008
骨芽細胞は骨基質蛋白合成とその石灰化を行う一方, 自ら産生した骨基質に埋まり骨細胞へと分化してゆく. 骨芽細胞と骨細胞は互いに細胞突起を介した細胞性ネットワークを形成し, 機能的なグループを作ると考えられる. 前骨芽細胞は骨芽細胞の前駆細胞として存在するだけでなく, 積極的に骨代謝に関与する細胞であり, in vivoではいくつかの表現型が存在する. また, 破骨細胞は骨吸収を営む細胞であり, 酸と基質蛋白分解酵素を分泌して骨基質を吸収する. 破骨細胞は骨芽細胞系細胞の支持によって形成されるが, 一方で, 破骨細胞は骨芽細胞の活性や機能に対して影響を与えると推測される. ここでは, 骨の細胞形態学を概説した. 「はじめに」骨を構成する細胞は互いに関連して機能しており, たとえば, 前骨芽細胞・骨芽細胞・骨細胞は1つの機能的合胞体を形成している. また, 近年, 骨細胞の機能ならびに破骨細胞と骨芽細胞の細胞間における細胞関連が注目されている. ここでは, 骨の細胞形態学を紹介しながら, その調節因子も含めて概説したい.
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。