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わが国における骨代謝研究のあゆみ

骨形態計測の現状と将来

伊藤明美山本智章髙橋榮明

THE BONE Vol.20 No.5, 113-124, 2006

骨組織形態計測法は, 骨形成, 骨吸収を示すさまざまな指標を計測することによって, 「骨の質」に大きな影響を与える骨代謝回転を知ることができる. 1980年代には, 動物実験として, 薬剤効果判定のための研究が中心で, 対象部位はラット脛骨を用いることが多かった. 近年では, トランスジェニックマウスを用いた遺伝子実験による, 骨への影響の研究が行われ, 計測部位も頭蓋冠から足関節までさまざまな骨部位で解析が行われている. 一方, ヒトの腸骨生検は, 1980~1990年代に筆者は年間約200例の計測を行ったが, 現在は月に約2例で, 対象は腎性骨異栄養症である. 【はじめに】骨形態計測の手法を用いた研究分野は急速に広範囲に, かつ特化してきている. 1980~1990年代では整形外科や歯科が中心であったが, 近年では基礎系科学者によるゲノムや分子生物学の分析にまで拡大してきている. また, 工学では骨とチタンとの適合性, 歯科矯正学では顎骨におけるdriftや歯槽海綿骨の解析なども行われ, 農学, 栄養学分野からも骨への影響の新しい実験が行われている.

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