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特集 siRNAが切り開く循環器の疾患修飾治療

siRNA核酸医薬 A to Z

程久美子

Pharma Medica Vol.41 No.3, 13-17, 2024

従来の医薬品である低分子医薬品や抗体医薬品は主にタンパク質を標的とする。それに対して、siRNA核酸医薬品はRNAを創薬ターゲットとするといった点で大きく異なり、新しい作用点に働く、新しいタイプの医薬品である。すなわち、RNAの塩基配列情報を利用しており、従来の医薬品ではアプローチが難しかった疾患の原因遺伝子に直接適応可能な第三のモダリティとして期待されている。siRNAは短い2本鎖RNAであり、RNA干渉というメカニズムによって目的の遺伝子機能を抑制する。本稿では、RNA干渉のメカニズムに基づき、ヒトで有用なsiRNAの設計法および塩基配列に依存した副作用の可能性とそれを回避する方法などについて概説し、今後の新たな展開について述べる。
「KEY WORDS」核酸医薬,siRNA,RNA干渉,オフターゲット効果,個別化医療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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