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特集 移植医療の最前線

小腸移植

岡本竜弥

Pharma Medica Vol.40 No.3, 19-24, 2023

短腸症候群や、腸管蠕動不全といった小腸機能不全に対して、中心静脈ルートの枯渇や、長期の経静脈栄養による肝障害など、他臓器に障害が起きている場合、ひいては全身の恒常性が保てない状態に陥った場合には、小腸移植が適応となる。本邦においては、1996年5月に第1例目の生体ドナーからの小腸移植が実施され、その後2002年に初めての脳死下臓器提供による小腸移植が行なわれた。2010年の臓器移植法改正以降、現在はほとんどの症例において脳死ドナーからの臓器提供により小腸移植が施行されている。免疫抑制療法プロトコールや周術期管理の改良に伴い、その術後成績は年々向上しており、さらに昨年本邦にて初めて施行された同一脳死ドナーからの肝小腸同時移植の経験は、この領域の進歩に更なる知見をもたらしている。
「KEY WORDS」小腸移植,脳死ドナー,Intestinal failure associated liver disease:IFALD,肝小腸移植,Non-composite肝小腸同時移植

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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