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特集 免疫が切り開く新時代の医療

自己免疫疾患における新たな治療標的

佐藤浩二郎

Pharma Medica Vol.40 No.2, 27-31, 2023

自己免疫疾患治療薬の種類の増加は近年著しく、患者の生命予後を改善するのみならず、生活の質の向上にも大きく寄与している。現在も新しい治療薬が次々に実用化されており、なかには新規の分子を標的にしているものがある。本稿ではS1P受容体・インテグリン・補体・胎児性Fc受容体を標的とした薬剤について概説する。新規分子を標的とした治療薬の実用化は、対象疾患の理解が深化したことを意味する。また、薬剤が効果を示す疾患群には共通の発症メカニズムが関わることが強く示唆される。一方で、新規治療薬の持つ特徴的な副作用、特に感染症を把握することは臨床医にとって大変重要であり、たとえ専門外であっても患者に投与されている薬剤の種類と留意点に関する知識を絶えずアップデートする必要がある。
「KEY WORDS」S1P受容体,インテグリン,補体,胎児性Fc受容体

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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