特集 頭痛診療のパラダイムシフト
頭痛診療のピットフォール
Pharma Medica Vol.39 No.9, 57-62, 2021
頭痛の初期診療において,特に危険な二次性頭痛では,見逃しにより不幸な転帰をたどる症例もあるため,早期の的確な診断と治療が重要である。
救急車で来院するくも膜下出血や視野障害を伴う下垂体卒中など,重度の頭痛や頭痛以外に典型的な症状を呈する症例の診断は,通常の診療技術をもってすれば問題になることは少ないが,軽度の頭痛のみを訴えて独歩来院するような二次性頭痛ほど診断が難しい。頭痛診療では,特に初診時や,慢性頭痛の既往があっても痛みの部位が異なる,持続時間が長いなど,いつもと違う頭痛を自覚した際には鑑別診断が重要である。数多く受診する一次性頭痛,特に片頭痛のなかに紛れて受診する危険な二次性頭痛を的確に診断することが,頭痛専門医の腕の見せどころである。
本稿では,危険な二次性頭痛の見落としを防ぐためのポイントについて解説する。
「KEY WORDS」雷鳴頭痛,脳血管障害,画像診断,二次性頭痛
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。