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特集 アトピー性皮膚炎 Basic & Clinical, Perspective
アトピー性皮膚炎における芳香族炭化水素受容体とOvo-like 1遺伝子

掲載誌
Pharma Medica Vol.39 No.7 33-36, 2021
著者名
辻 学
記事体裁
抄録 / 特集
疾患領域
皮膚疾患
診療科目
皮膚科
媒体
Pharma Medica
Key Words
芳香族炭化水素受容体,アトピー性皮膚炎,皮膚バリア機能障害,IL-33

化学物質センサーである芳香族炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor:AHR)は,リガンド特異的かつ細胞特異的に遺伝子の転写プロファイルを制御することから,薬物代謝や環境応答に重要な役割を果していると考えられている。上皮バリア組織,特に皮膚ではAHRの発現が高く,最近の研究では,皮膚バリア機能,メラニン生成,炎症,悪性腫瘍など,皮膚の生理や疾患におけるAHRの複数の役割が明らかになっている。特に,アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)の発症においては,AHRは重要な役割を果たしており,環境汚染物質(ダイオキシンや多環芳香族炭化水素など)に伴ってADが悪化するメカニズムにAHRシグナルが関与することが報告されている¹⁾²⁾。その一方で,コールタール,大豆由来タール(グリテール)はADに対して高い治療効果を発揮するが,この機序はAHRに依存することが示されている³⁾⁴⁾。また,ADに対する紫外線療法は,細胞内のトリプトファンが紫外線によって6-formylindolo[3,2-b]carbazole(FICZ)に構造変化し,FICZがAHRを活性化する機序が治療効果に関係していると考えられている⁵⁾。このようにAHRには活性化物質によってその生物学的効果が異なるという特徴がある。この両者の違いには,AHRシグナルの活性化が持続的か・一時的なものか,AHR活性化物質の薬物代謝経路,活性酸素の産生量,サイトカインの産生などが関与することが報告されている²⁾⁶⁾が,その詳細な機序はいまだに不明な点が多い。最近では,AHRをターゲットとしたADの新しい治療薬の開発が進んでいる。Tapinarofは天然の低分子化合物で,表皮細胞のAHRに働きかけることで,ADの病変を改善する。Tapinarofによる外用薬の臨床試験は海外でphase Ⅲが行われている。このようにAHRに働きかけて治療効果を期待する薬剤はtherapeutic AHR modulating agent(TAMA)と呼ばれ,同じくAHRに作用するダイオキシンや多環芳香族炭化水素とは区別されつつある⁷⁾(図1)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
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