特集 変形性関節症の病態・治療の最新知見
Ⅰ.総論
変形性関節症の局所における痛みの分子病態
掲載誌
Pharma Medica
Vol.39 No.6 25-29,
2021
著者名
渡邊 健一郎
/
籠田 成靖
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
骨・関節
診療科目
老年科
/
整形外科
媒体
Pharma Medica
Key Words
Osteoarthritis,Pain mechanism,Nociceptor
変形性関節症 (osteoarthritis:OA) は,加齢や外傷による関節軟骨の変性と摩耗を特徴とした退行性変性疾患であり,滑膜,軟骨下骨,半月板や靱帯などの周辺組織に炎症や変形などを伴うことで,関節局所の痛みが生じる。OAの痛みの発生については,脳における痛みの認知までを全身的に捉えると,神経障害性および中枢性のメカニズムも想定される1)が,関節局所における炎症やメカニカルストレスなどによる侵害受容性のメカニズムの関与が大きいと考えられている。そこで本稿では,OAの関節組織に分布する末梢神経やその侵害受容器に注目した痛みの分子病態について解説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。