<< 一覧に戻る

特別企画 膵・消化管神経内分泌腫瘍を巡る最近の話題~NEN診断と治療の新時代~

膵・消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NEN)の診断の進歩

藤森尚村上正俊松本一秀寺松克人高松悠竹野歩原真児登梯祥太郎安森翔大野隆真荻野治栄伊原栄吉伊藤鉄英小川佳宏

Pharma Medica Vol.39 No.5, 66-72, 2021

神経内分泌腫瘍は内分泌細胞を発生母地として全身に発生するが,消化器領域では膵臓と消化管が好発部位であり,膵・消化管神経内分泌腫瘍(gastroenteropancreatic neuroendocrine neoplasms:GEP-NEN)と総称される。希少疾患であるが,近年の疫学研究から疾患頻度の明らかな増加が報告されている1)2)。高分化型の神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)と低分化型の神経内分泌がん(neuroendocrine carcinoma:NEC)に大別され,基本となる病理分類の理解が必須である。また,分子標的薬やソマトスタチンアナログの登場,内視鏡治療や外科治療の進歩も相まって,GEP-NENの集学的治療が大きく進歩している。GEP-NEN診療において,これらの多様化した治療法を適切に選択するには,正確な診断が何より重要であり,ホルモン産生能の評価,画像診断と組織学的診断がその中心となる。本稿では,2019年に改訂された膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)診療ガイドライン第2版(以下,GEP-NEN診療ガイドライン)や病理組織学的分類(WHO分類)も踏まえて,GEP-NEN診断の進歩や今後の展望について概説する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る