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特集 ロボット手術の新たな展開

触覚をもった超低侵襲手術支援ロボットの開発

和田則仁大西公平北川雄光

Pharma Medica Vol.39 No.4, 45-48, 2021

わが国におけるロボット支援手術は,2012年4月に前立腺全摘除術が保険収載されて以降,急速に普及してきている。現在では消化器外科,産婦人科,呼吸器外科など多くの分野で実施数が増加し,今後もさらに普及することが見込まれている1)。手術支援ロボットはさまざまな利点を有しているが,ロボット固有の問題点も指摘されており,その1つが触覚の欠如である。実際に触覚がないために,内視鏡の視野外で損傷をきたすなどの有害事象が発生する可能性が報告されている2)。われわれは,2014年から軟性内視鏡手術システム(Flexible Endoscopic Surgery System:FESS)の開発に着手しており,すでにプロトタイプが完成し,公表した(図1)。本プロジェクトでは触覚を伝送する鉗子の開発も手掛け,有用性を確認している。本稿では,その概要を解説する。
「KEY WORDS」FESS,軟性,NOTES,バイラテラル制御

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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