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特集 神経難病の今~疫学・成因・治療の研究最前線~
多系統萎縮症

掲載誌
Pharma Medica Vol.39 No.3 33-37, 2021
著者名
吉田 邦広
記事体裁
抄録 / 特集
疾患領域
神経疾患
診療科目
神経内科
媒体
Pharma Medica
Key Words
オリゴデンドログリア,α-シヌクレイン,国際コンセンサス基準,間葉系幹細胞移植

多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は,主として線条体-黒質系,下オリーブ核-橋核-小脳系,自律神経系(迷走神経背側核,脊髄中間質外側核,仙髄Onuf核など)の3系統が侵される神経変性疾患である。1969年にGraham & Oppenheimerにより,パーキンソン症状を主症状とする線条体黒質変性症(striatonigral degeneration:SND),小脳失調症状を主症状するオリーブ橋小脳萎縮症(olivopontocerebellar atrophy:OPCA),自律神経症状を主症状とするShy-Drager症候群を包括する疾患概念として提唱された¹⁾。1989年に,前記の3つの疾患に共通して,乏突起膠細胞(オリゴデンドログリア)の細胞質内に嗜銀性のグリア細胞質内封入体(glial cytoplasmic inclusion:GCI)が発見されたことから,MSAという疾患単位の妥当性が立証された²⁾。GCIはMSAに特異的であり,後述するMSAの診断基準における確定例(definite)の病理学的な必須要件である³⁾。頻度は低いものの,同様の封入体はグリア細胞の核内(glial nuclear inclusion:GNI),神経細胞の細胞質内(neuronal cytoplasmic inclusion:NCI)および核内(neuronal nuclear inclusion:NNI)にもみられる。 1998年には,GCIの主要構成成分がα-シヌクレイン(α-synuclein)であることが判明し⁴⁾,MSAはパーキンソン病(Parkinson’s disease:PD)やレビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)と同じく,α-シヌクレイノパチーの1型であることが確立された。このことを端緒に,MSAの病理過程において,オリゴデンドログリアへのα-シヌクレインの蓄積・凝集が最も重要な変化と考えられるようになった。GCIにおいてα-シヌクレインと共局在する蛋白は数多く同定されているが⁵⁾,なかでもtubulin polymerization promoting protein(TPPP/p25)はオリゴデンドログリア細胞質内への蓄積を介してα-シヌクレインの凝集を促進する可能性が指摘されている⁶⁾。また,患者脳内に蓄積した異常型α-シヌクレインがプリオン様伝播の性質を有することも知られている⁵⁾。現在,MSAは“oligodendroglioneural synucleinopathy”と理解されるようになっている⁵⁾。 本稿ではMSAの最近の話題として,国際的に活用されてきた診断基準の見直し論議と,新たな治療法である間葉系幹細胞の移植療法に焦点を絞る。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。
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