特集 関節リウマチの基礎・臨床 2021 Update
骨びらんの形成と修復の分子機構
掲載誌
Pharma Medica
Vol.39 No.2 19-24,
2021
著者名
横田 和浩
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
骨・関節
/
膠原病・リウマチ性疾患疫
診療科目
リウマチ科
/
膠原病科
/
整形外科
媒体
Pharma Medica
Key Words
関節リウマチ,骨びらん,破骨細胞,receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand(RANKL),炎症性サイトカイン
関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の特徴の1つは,関節近傍に生じた骨融解(骨びらん)の形成である。骨びらんの形成は,破骨細胞を介した骨吸収と骨芽細胞を介した骨形成の不均衡に基づき生じる。
骨びらん形成の引き金は炎症性サイトカインと自己抗体であり,特に二大炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)およびインターロイキン(interleukin:IL)-6は,滑膜炎に伴う骨びらん形成を引き起こす。
RAの治療において,骨びらんを形成させないこと,言い換えれば,関節の構造的損傷の防止は,最も重要なゴールの1つである。骨びらんを形成させない治療戦略は,骨びらんの形成と修復の分子機構について理解することである。そこで本稿では,その最新の知見とわれわれの基礎研究データを交えて概説する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。