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特集 腸内細菌と全身疾患

Ⅱ腸内細菌と代謝疾患

腸内細菌と膵性糖尿病

坊内良太郎

Pharma Medica Vol.38 No.12, 51-55, 2020

膵性糖尿病は,糖尿病の成因分類において,その他の特定の機序,疾患によるものに含まれ1),慢性膵炎のような膵外分泌疾患による糖尿病と膵病変に対する膵切除後に発症する糖尿病に大別される。膵臓を全摘出すると当然,全例にインスリン依存状態の糖尿病を発症するが,一方で膵部分切除術後の症例においては,術式や患者の術前の耐糖能などにより,術後に糖尿病を発症するかどうかはさまざまである。本稿では,われわれが行ってきた膵部分切除後の糖尿病発症機序に関する研究の成績を中心に,膵切除後糖尿病の病態に腸内細菌がどのように関与するかについて概説する。
「KEY WORDS」膵切除,糖尿病,腸内細菌,インクレチン,短鎖脂肪酸

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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