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特集 基礎と臨床から炎症性腸疾患を診る

炎症性腸疾患の発症機序を知る ④免疫学的要因:潰瘍性大腸炎とクローン病はどう違う?

溝口充志

Pharma Medica Vol.38 No.11, 27-30, 2020

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とクローン病(Crohn's disease:CD)に大別される炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)の患者数は,わが国で右肩上がりの増加が認められている。一方,欧米では患者数は頭打ちと思われていた。しかし,リアルワールドデータすなわちレセプト解析により,カナダでさえIBD患者数は増加を続けていることがわかり,2030年には100人に1人がIBDの時代に突入すると試算されている1)。また,このような自然増加に加えて,最新治療法の導入がIBD患者数増加に拍車をかけることも容易に想定できる。事実,がん治療の最先端である免疫チェックポイント阻害薬(特にCTLA-4阻害)やPI3K阻害薬では,副作用として腸炎を高頻度に発症してしまう2)。IBD患者の増加が続くことは患者にとっても,医療経済においても大きな問題であり,「寛解導入/drug-free寛解永遠維持」さらには「予防法」の開発にも挑戦する時代に突入するのかもしれない。このような時代を可能にするためにも,UCとCDの機序の違いを正確に把握することは重要であり,本稿では,明らかに異なるUCとCDの特徴を簡潔に紹介する。
「KEY WORDS」IL-4,IL-22,喫煙,虫垂切除,ヤヌスキナーゼ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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