<< 一覧に戻る

特集 基礎と臨床から炎症性腸疾患を診る

炎症性腸疾患の疫学

―海外と日本の動向は同じ? それとも違う?

西脇祐司

Pharma Medica Vol.38 No.11, 9-12, 2020

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC),クローン病(Crohn's disease:CD)といった炎症性腸疾患は,現在のところはっきりと病因がわかっておらず,発症すると長期間の治療が必要になる慢性の病気で,寛解期と再燃期を繰り返すのが特徴とされている。歴史的には西欧諸国に多い疾患との位置付けであったが,近年のデータによれば,アジアの国々での患者数が増加している。これについての原因は明らかではないが,アジアでの増加の原因を解明することは,この疾患の発症と進展に迫るヒントを提供する可能性がある。本稿では,UCおよびCDの基礎疫学的情報について,特に西欧諸国とアジアとの比較を念頭に置いて記述したい。
「KEY WORDS」疫学,有病率,罹患率,性比,UC/CD比

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る