<< 一覧に戻る

特集 高齢者動脈硬化予防の新展開

動脈硬化性疾患予防のための運動療法および身体活動

木庭新治

Pharma Medica Vol.38 No.10, 49-52, 2020

運動不足の人ほど,また持久的体力の低い人ほど動脈硬化性心血管疾患(atherosclerotic cardiovascular disease:ASCVD),がんを含むあらゆる疾患による死亡率が高い1)2)。この傾向は高齢者ほど顕著である。持久的体力を反映する最大酸素摂取量および筋力は20歳代をピークに,加齢とともに低下する。筋力の低下は,上肢に比べて下肢に顕著に現れる。したがって,高齢者での歩行能力の低下は,身体的生活機能の低下につながる重要な初期徴候である。
加齢とともに動脈硬化は進行する。この進行は運動不足の人で顕著である一方,習慣的な運動により抑えられる(図1)3)。したがって,高齢者ほど運動によって身体能力を高めることがより重要である。
「KEY WORDS」有酸素運動,レジスタンス運動,身体活動,サルコペニア肥満

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る