<< 一覧に戻る

特集 糖尿病性腎臓病(DKD)Basic & Clinical up-to-date 2020 ~進化するDKD治療~

Ⅱ 糖尿病性腎臓病 Clinical 2020 ~Current and Future Therapeutic Strategies~

GLP-1受容体作動薬への期待

北田宗弘

Pharma Medica Vol.38 No.9, 51-56, 2020

糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)は,末期腎不全へ進展する慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の主たる原疾患である。これまで,厳格な血糖コントロール,レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬を中心とした血圧管理,脂質異常症を含む代謝的異常に対する包括的治療がDKDの発症・進展抑制に有効であるという臨床的エビデンスが示されてきた。しかし,それらの推奨される治療が行われているにもかかわらず,DKDの進展に対するリスクは残存している。近年,糖尿病治療薬の進歩により,血糖コントロールのみに主眼を置いた治療から,血糖コントロールに加え,心・腎保護をも考慮した治療が可能になり,残存リスク低下への期待がもてるようになってきた。本稿では,それら糖尿病治療薬のなかでGLP-1受容体作動薬に焦点を当て,同薬剤のDKDに対する効果と展望について概説する。
「KEY WORDS」糖尿病性腎臓病,GLP-1受容体作動薬,腎アウトカム,心血管アウトカム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る