<< 一覧に戻る

特集 糖尿病性腎臓病(DKD)Basic & Clinical up-to-date 2020 ~進化するDKD治療~

Ⅰ 糖尿病性腎臓病Basic 2020 ~Bridging to Clinical Research~

HypoxiaからDKDを制御する

菅原真衣田中哲洋

Pharma Medica Vol.38 No.9, 31-35, 2020

慢性腎臓病 (chronic kidney disease:CKD)は,腎機能がある程度低下すると,その後は共通の機序をたどって不可逆的に進行していく。この経路において慢性低酸素が重要な役割を果たすことが知られており,糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)も例外ではない。生体は低酸素環境に適応するため,低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor:HIF)を中心とする応答機構を備えている。近年,HIF活性化薬が腎性貧血の治療薬として使用可能になったこともあり,HIFがDKDの進展に与える影響に注目が集まっているが,この点についてはいまだ一定の見解が得られていない。本稿では,HIFの役割を中心に,腎臓の慢性低酸素とDKDとの関連について概説する。
「KEY WORDS」低酸素誘導因子,糖尿病性腎臓病,HIF-PH阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る