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特集 うつ病と認知症

脳血管障害とうつ病

山下英尚濱聖司

Pharma Medica Vol.38 No.8, 25-28, 2020

脳卒中は現在でも年間約10万人の方が亡くなっており1),その10倍以上の方が後遺症や合併症に苦しんでいる日本人にとって重要な疾患である。脳卒中有病者は年々増加しており,厚生労働省の推計によると,2020年には約290万人に達したと推測されている。脳血管障害に関連した器質性の精神障害のなかで最もよく知られているのはうつ病であるが,近年の報告ではモチベーションの障害であるアパシーも脳血管障害に関連した精神症状として高頻度に認められることが報告されており,うつ病・アパシーともに認知機能障害との関連や脳卒中後の機能回復を阻害する要因として重要である。脳卒中患者のQOLを考えた場合,それらの病態を正しく認識し,薬物療法を含めた適切な対応が求められている。
「KEY WORDS」脳卒中後うつ病,血管性うつ病,抑うつ気分とアパシー,認知機能障害,セロトニンとノルアドレナリン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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