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特集 うつ病と認知症

特集にあたって

樋口輝彦

Pharma Medica Vol.38 No.8, 7-8, 2020

わが国は超高齢社会にさしかかり,これに伴って認知症患者数も右肩上がりである。2012年の厚生労働省の調査では認知症の患者数は462万人であり,65歳の高齢者の7人に1人が認知症であった。これが2025年には5人に1人が認知症との推計があり,大きな社会問題である。
一方,うつ病は高齢者に多くみられ,年々増加傾向にある。また,うつ病は高齢者の自殺の原因にもなる点でその対応は重要である。
うつ病と認知症の関係は古くから「仮性認知症(痴ほう)」がよく知られていた。うつ病の症状として認知症同様の記憶障害が出現することから名付けられたものである。しかし,最近では両者の関係が詳しく調べられ,「うつで始まる認知症」,「うつが認知症のリスクファクター」,「うつのなかには認知症と共通するBiological Markerが存在する」など両者には浅からぬ関係があることがわかってきた。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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