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特集 がんバイオマーカーの探求

特集にあたって

吉岡祐亮落谷孝広

Pharma Medica Vol.38 No.7, 7, 2020

現在,生涯でがんに罹患する確率は,約50%と試算され,2人に1人は,がんに罹るといわれている。近年では,従来の外科治療や放射線治療,殺細胞性抗がん剤などの化学療法に加え,分子標的薬などの登場により,がんの治療法は多岐にわたり,治療法の選択が重要である。また,これら医療の発展もあり,早期発見できた場合,治療成績は格段に良くなっていることから,早期発見の重要性が増している。治療法の選択や早期がんの発見に生理的状態や疾患の状態を把握するための生体由来のマーカー,つまりバイオマーカーの利用が期待されており,それらバイオマーカーを検出する方法や装置の開発も急速に進められている。特に,リキッドバイオプシー(liquid biopsy)と呼ばれる,われわれの体液中に存在するバイオマーカーを用いたがんの診断や個別化医療実現に向けたコンパニオン診断に注目が集まっている。疾患部位の組織採取を行わず,体液を用いることで,低侵襲的にバイオマーカーを測定することができる点は大きなメリットとなる。すなわち,経時的に複数回検査ができることは,治療後の再発のモニタリングなども可能であり,将来的には,日常検診における採血・採尿だけで,発症予測や発症リスクまで行える可能性を秘めている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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