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特集 花粉症の基礎・臨床Overview

特集にあたって

大久保公裕

Pharma Medica Vol.38 No.4, 7, 2020

スギ花粉症は増加している疾患である。馬場廣太郎・獨協医科大学名誉教授は全国の耳鼻咽喉科医とその家族について1998年と2008年に花粉症を含むアレルギー性鼻炎の調査を行った。1998年ではスギ花粉症は通年性アレルギー性鼻炎より頻度の低い16.2%であったが,2008年のスギ花粉症患者人口は日本全体の26.5%と10%以上も増加していた。2019年に奥田記念花粉症学等学術顕彰財団の助成を受けて,日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会の有病率調査委員会では馬場先生と同じ,全国の耳鼻咽喉科医とその家族についての調査を企画した。これに関して日本耳鼻咽喉科学会のご支援により名簿使用が許可され,実施に当たった。詳しい結果は日本耳鼻咽喉科学会会報に後日発表されるので,それに譲るが,やはり増加の傾向は止まっていないことが判明した。どのようにしてこの増加を止められるのか? 重症患者を減少させられるのか? など花粉症医療に対して求められることは数々存在している。スギ花粉抗原による感作が100%になる時代は来ないと思えるが,この小児での感作・発症の増加を真剣に考えないと,この有病率の増加に歯止めをかけることはできないかもしれない。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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