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特集 腎がん診療最前線

【DEBATE】Ⅱ 単腎に発生した小径腎細胞がんに対する治療戦略 ~適応と限界~

薬物療法

三浦 裕司

Pharma Medica Vol.38 No.2, 63-66, 2020

腎細胞がんに対するこの10年における薬物治療の開発は,まさに日進月歩の勢いである。2006年以降,vascular endothelial growth factor receptor(VEGFR)阻害薬であるソラフェニブ,スニチニブ,パゾパニブ,アキシチニブが,そしてmammalian target of rapamycin(mTOR)阻害薬であるテムシロリムス,エベロリムスが次々と日本でも承認された。さらに,2015年以降,免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ,もしくはそれにイピリムマブの併用が承認された。これらの薬剤は,腎がんの治療にパラダイムシフトを引き起こし,生存期間の大きな延長をもたらした。しかしながら,これらの薬剤はすべて転移性腎がんに対する臨床研究において,その効果が証明され日常診療として承認されたものであり,非転移性の限局性腎細胞がんに対する臨床試験の結果は限定的である。
「KEY WORDS」小径腎がん,VEGFR阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬,術前薬物療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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