特集 腰痛診療perspective
Ⅲ 高齢者の腰背部痛 ②高齢者の腰背部痛と脊柱変形
Pharma Medica Vol.38 No.1, 45-48, 2020
日本は2016年時点で高齢化率27.3%と超高齢社会が進行している。「平成28年簡易生命表」では平均寿命は男性80.98歳,女性は87.14歳と伸びているものの,日常生活に制限のない期間でみた健康寿命では男性72.14歳,女性74.79歳である。すなわち,平均寿命との格差の男性8.84年,女性12.34年の期間は生活に制限をきたしていることになる。健康寿命の延伸は重要な国家政策目標となっているが,それを阻む原因として認知症や脳血管障害とともに運動器の障害と痛みがある。「平成28年国民生活基礎調査」における症状別有訴者率では腰痛は65歳以上では男女ともに第一位であった。なかでも腰背部は世界そして日本においても最も痛みの訴えの多い部位である。
「KEY WORDS」胃食道逆流症(GERD),疼痛,sagittal vertical axis(SVA),pelvic incidence(PI)
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