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特集 高齢者と眼疾患

白内障

黒坂大次郎

Pharma Medica Vol.37 No.12, 25-28, 2019

白内障とは,水晶体の透明性が障害され混濁した疾患である。水晶体は,屈折(焦点を合わせる機能)以外にも,見るものの距離によって屈折力を変化させ,遠くのものでも近くのものでも焦点が合うようにする調節機能を担う。白内障の原因には,先天性,代謝障害(糖尿病),外傷,薬剤(ステロイドなど),他の眼疾患に伴うもの(ぶどう膜炎など)があるが,加齢に伴うものが最も多く,80歳以上では,ほぼすべての人に混濁が認められる(ただ,水晶体の周辺部だけが混濁している人では,実際の機能上の問題は生じない)。この年齢では,すでに水晶体の硬化により調節機能を失っており(老視),この状態に,水晶体の混濁が加わって視機能障害を生じてくるのが白内障である。今回は,高齢者に生じてくる加齢白内障の症状・診断・治療などについて解説したい。
「KEY WORDS」加齢白内障,眼内レンズ,薬物治療,白内障手術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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