Medical Scope
小児鼻アレルギー診療のトピックス
掲載誌
Pharma Medica
Vol.37 No.11 59-62,
2019
著者名
松岡伴和
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
耳鼻科疾患
/
小児疾患
診療科目
耳鼻咽喉科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
わが国における小児鼻アレルギー診療の中心は,現状では薬物療法である。しかし,薬物療法はあくまでも対症療法であり,鼻アレルギーの根本的な治療になるわけではない。アレルゲン免疫療法(AIT)は,唯一根治の可能性のある治療法であり,古くより皮下免疫療法(SCIT)が行われてきたが,稀にアナフィラキシーなどの重篤な副作用があり,日本では普及してこなかった。より安全性の高い舌下免疫療法(SLIT)は,欧州を中心に普及し,2014年よりわが国でもスギ花粉舌下液の販売が開始された。その後,ダニ舌下錠が登場し,世界に先駆けてわが国でのみ小児に対する適応が取得された。SLITを含めたAITは小児に対して有効な治療法であり,さらなる普及が期待される。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。