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特集 白血病診療の新展開

白血病の分類と疫学

宮﨑泰司

Pharma Medica Vol.37 No.10, 9-12, 2019

白血病と呼ばれる疾患は,末梢血中に異常な造血細胞が無制限に増殖する疾患の代表として認識され,その後,FAB(French-American-British)グループによって白血病細胞の形態的特徴と臨床的特徴を関連付けながら白血病の分類がなされた(FAB分類)1)。白血病には,芽球が増加する急性白血病として急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)と急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)が,成熟血球が慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)と慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)に相当する。
急性白血病の診断では,現在においても芽球(白血病芽球)の増加が基本的な要件となっており,この点はFAB分類の方針が引き継がれている。その芽球が骨髄系か,リンパ系かでAMLとALLが分けられることも同様である。FAB分類以降に正常造血細胞の分化,成熟過程の理解が進み,特にリンパ系細胞の成熟過程が詳細に明らかとなり,WHO分類第4版2017年改訂2)では,骨髄系腫瘍とリンパ系腫瘍は別のカテゴリーの腫瘍として扱われる。CMLは骨髄増殖性腫瘍の1つに分類されている。
「KEY WORDS」WHO分類,FAB分類,疫学,全国がん登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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