鹿児島県こども総合療育センターが2010年に開設され,受診待機期間の長期化が問題になり対策を検討した。予約を本人家族からではなく,紹介票の仕組みを使って支援者が診療予約をする仕組みにした結果,受診待機期間が短縮しただけでなく,早期に支援が始まることで家族の不安軽減に役立つ仕組みと考えられた。また,療育センターの職員に現役の教員が入ることで地域における医療と教育の連携が効果的に実施できるようになった。発達障害診療は非常に大きなニーズがあり,すべてを専門医療機関で対応すると本来診断など専門的なアセスメントや支援の必要なケースがサービスを受けられなくなる可能性がある。それぞれの特性やニーズに応じて,適切な支援の場につなげるための仕組み作りが大切である。
「KEY WORDS」紹介票,診断前支援,地域支援の仕組み,こども部会