2005年に発達障害者支援法が施行され,読んで字のごとく,発達障害者に支援が必要だということはわが国に広く知れ渡った。しかしながら,さまざまな社会現場において,1人ひとりへの等身大の配慮は,実際上は残念ながら十分とはいいがたい。これには,「発達障害」の診断概念が変遷するとともに,いくつもの診断の重複や,個人差の大きさがあいまっていることが要因していると考えられる。そこで,本稿では,発達障害の診断概念を振り返りながら,適切な配慮へ向けた今後の展望を述べる。
「KEY WORDS」自閉症,ADHD,学習障害,アスペルガー