特集 小児リウマチ性疾患の診療~これまでのエビデンスに基づく最近の知見~
高安動脈炎
Pharma Medica Vol.37 No.7, 37-43, 2019
血管炎は血管炎症候群,全身性血管炎とも呼称され,血管そのものに炎症を認める疾患の総称である。1994年,米国ノースカロライナ州チャペルヒルで開催されたチャペルヒルコンセンサス会議(Chapel Hill Consensus Conference:CHCC)で提唱された各血管炎の定義や主な罹患部位による分類法は理解しやすく,わが国をはじめ世界各国の医師・研究者に広く普及した。2013年に改訂版CHCC分類(CHCC2012)が発表され1),血管炎分類の変更,病名変更,疾患定義の修正などが行われた。わが国でもこれに従い,2017年にCHCC2012に記載されている英語疾患名の日本語名が決定された(表1)2)。大型血管は大動脈とその主要分枝およびこれに対応する静脈と定義され,大型血管炎には高安動脈炎と巨細胞性動脈炎が含まれる1)。巨細胞性動脈炎は小児科領域で経験することはきわめて稀であるため,高安動脈炎は代表的な小児期発症大型血管炎といえる。
「KEY WORDS」小児,高安動脈炎,血管炎症候群
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