2003年のわが国の疫学調査では,40歳以上の男性の14%に過活動膀胱(overactive bladder:OAB)症状が認められ,その有症状率は加齢とともに上昇することが示された1)。男性におけるOABは前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia:BPH)に伴う下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)の1症状と捉えられており,女性におけるOABとは病態や治療方針が異なると考えられている。そのため,『過活動膀胱診療ガイドライン[第2版]』でもBPHを合併する男性の治療を区別しており2),『男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン』では,男性のLUTSに特化した診療アルゴリズムを提示している3)。本稿では,これらのガイドラインをもとに,男性OABの病態,治療法について解説する。
「KEY WORDS」過活動膀胱,前立腺肥大症,male LUTS,薬物治療
「KEY WORDS」過活動膀胱,前立腺肥大症,male LUTS,薬物治療