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特集 パーキンソン病診療最前線

遺伝子治療

村松慎一

Pharma Medica Vol.37 No.4, 49-52, 2019

遺伝子導入用ベクターの技術革新が進み遺伝子治療に期待が高まっている1)。体外法では,レトロウイルスベクターの改良とともに,レンチウイルスベクターの応用が広がり染色体への挿入に伴う原癌遺伝子の活性化のリスクが軽減した。難治性の白血病や悪性リンパ腫に対するキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T cell;CAR-T)遺伝子治療が発展している。また,体内に直接,治療用遺伝子を導入するベクターとしては,全身の種々の組織を標的とし得るアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus;AAV)ベクターが主流となり,パーキンソン病,芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(aromatic L-amino acid decarboxylase;AADC)欠損症,血友病,脊髄性筋萎縮症の治験で好成績が報告されている。
「KEY WORDS」アデノ随伴ウイルス,芳香族アミノ酸脱炭酸酵素,血液脳関門

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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