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特集 パーキンソン病診療最前線

適切な薬物療法

西川典子

Pharma Medica Vol.37 No.4, 41-44, 2019

パーキンソン病(Parkinson's disease;PD)の薬物治療の基本はドパミン補充療法(dopamine replacement therapy;DRT)である。DRTは主に黒質-線条体系へのドパミン刺激を通じて運動症状を改善する。DRTの2本柱はL-ドパとドパミンアゴニストである。
PD治療の目標は日常生活の支障となる症状を最大限軽減し,患者の日常や社会性を回復することであるので,“適切な”治療とは,症状を改善するのに必要かつ十分な治療を行い,長期的な視野において副作用を最小限に抑えることである。病気により障害された,社会や家庭での役割が取り戻せるように,進行期では日常生活に支障となる生活動作を改善できるように,治療を組み立てる。
DRTは発症早期から適正量で行われるべきであるが,適正な治療を行うための薬剤選択やその用量・用法はその患者の病状,年齢や生活状況に応じて異なる。本稿ではそれぞれの抗PD薬の概要と薬剤選択の要点について記した。
「KEY WORDS」L-ドパ,ドパミンアゴニスト,MAO-B阻害薬,COMT阻害薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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