<< 一覧に戻る

特集 パーキンソン病診療最前線

最新の診断法 ①MIBG心筋シンチグラフィー

永山寛

Pharma Medica Vol.37 No.4, 19-22, 2019

¹²³I-meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィーの臨床応用は,1994年のHakusuiらによる報告に始まる1)。彼らは,パーキンソン病(Parkinson's disease;PD)で心筋MIBGの取り込みが低下していることを報告し,その後MIBG心筋シンチグラフィーに関する報告がわが国を中心になされ,Orimoらにより理論的な裏付けも行われ2)-4),PDをはじめとした変性疾患の評価から鑑別診断ツールとして臨床応用されてきた。2015年に出版されたMovement Disorder Society(MDS)によるPDの臨床診断基準には,そのsupportive criteriaに初めて¹²³I-MIBG心筋シンチグラフィーが記載されるに至っている5)。MIBGはノルエピネフリン(NE)のアナログであり,交感神経終末において取り込み,貯蔵,放出ともにNEと同様の動態を示す。そのほとんどはNE transporter(NET)から能動的に取り込まれ,vesicle monoamine transporter(VMAT)を介して貯蔵される。貯蔵された後は交感神経興奮により放出されるが,心筋のα,β受容体には結合はしない。またMIBGはcatechol-O-methyltransferase(COMT)により代謝されないので交感神経終末を可視化できる。
ここではPDの診断におけるMIBG心筋シンチグラフィーについて,実用的な臨床応用としてのこの検査の有用性を中心に解説する。
「KEY WORDS」MIBG心筋シンチグラフィー,パーキンソン病,レビー小体型認知症,多系統萎縮症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る