一目でわかるクリニカルレシピ
気管支喘息を予防する食事
Pharma Medica Vol.37 No.3, 72-75, 2019
気管支喘息は気道の慢性炎症を本態とし、変動性をもった気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳などの臨床症状で特徴づけられる疾患で、症状は発作性の呼吸困難、喘鳴、胸苦しさ、咳が反復することを特徴とします。小児では女児より男児に多く、思春期になると性差はなくなり、成人有病率は女性が高くなります。小児では乳児期に、成人では中高年発症が多くなります。40歳を過ぎてから初めて発症するようなケースも決して珍しくありません。過去に小児喘息歴がある人では、成人になって再発するケースもあります。成人の気管支喘息は、過去30年間で約3倍にも増加したといわれています。
気管支喘息の一般的な分類はアトピー型と非アトピー型に分けられます。小児期発症の喘息はダニや花粉などのアレルゲン(アレルギーを引き起こすもの)がきっかけとなって気道に炎症が起こるアトピー型が多く、成人発症喘息では、アレルゲンを特定できない非アトピー型が多いです。また、65歳以上の高齢者喘息では他の年齢層と異なり、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)との合併症例(Asthma and COPD Overlap;ACO)が多く、特に男性では約20%と高頻度です。ACOでは喘息あるいはCOPD患者に比べて咳や痰、呼吸困難などの症状を認める頻度や重症度が高く、予後不良です。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。