がん免疫療法は,がん治療の一角を担う重要なツールになりつつあり,卵巣がんに対しても新たな治療戦略として非常に注目されている。特にT細胞性免疫を抑制する補助シグナル(免疫チェックポイント)programmed cell death-1(PD-1)/PD-1リガンド(PD-L1)経路の阻害薬の臨床応用が進んでおり,他の固形腫瘍と同様に,単剤だけではなく他のがん治療薬との併用療法による適応承認・拡大に向けた動きも加速している。本稿では卵巣がんに対する免疫チェックポイントPD-1経路阻害薬開発の現状について概説する。
「KEY WORDS」免疫チェックポイント,PD-1,PD-L1,がん免疫療法,バイオマーカー